ガラス | エミールガレを語ろう。

ガラス

ガラスの原料は何?

ガラスにはまず『珪砂』が必要です。「珪砂」?たとえば幼い日、公園で遊んだ砂場の砂と、ガラスに使用される珪砂は、基本的に大差はありません。見た目はただの砂なのです。

ガラスの原料としては、まず珪砂。

しかし、珪砂だけだと融点が非常に高いため、よほど高温にしないと、ガラス状にならないので、いろんな原料を入れます。一番多いのが、「ソーダ灰」。正式には「炭酸ナトリウム」(Na2CO3)という名称の白っぽい粉です。それから、「炭酸カルシウム」(CaCO3)。これも白い粉で、基本的には、学校の運動場で引かれる白線の白い粉を想像してもらえれば、いいと思います。

この「珪砂」、「ソーダ灰」、「炭酸カルシウム」が一般に良く使われるガラスの3大原料なのです。ですから、この汎用ガラスの事を、「ソーダ石灰ガラス」と呼ぶこともあります。この言葉に対応するガラスとして、「硼珪酸ガラス」(「硬質ガラス」とも呼ぶ)という言葉があります。耐熱ガラスなどに用いられます。

さて、一般のガラスの原料にはその3つの原料が主に使われるのですが、さらに要求される特性に応じて、様々な原料が入れられます。

たとえば、。みなさん良くご存じのクリスタル・ガラスと称するガラスは、通常は鉛クリスタル・ガラスを指します。あの、かつては水道管にも使われた(現在は使用されていないようですが)、白っぽい金属の鉛がガラスの中に成分(酸化鉛)として入ると、鉛は電子の数が多いので光を多く反射し、輝きや光沢が増し、屈折率も大きくなって、ガラスをよりキレイに見せます。

またガラスを溶融、成型する際にも、鉛が含まれている方が、より作業しやすくなります。ガラスの中に含まれる量は、多いガラスで24%(本来の鉛クリスタルはこの含有率が要求されます)から、4~5%まで。鉛の含有率が高いほど、ずっしりと重い感じで、カットなどの加工もより容易になります。