企業家としてガレはどうなのか | エミールガレを語ろう。

企業家としてガレはどうなのか

ガレの使用した商標「ロレーヌ十字」、その意味する場所ロレーヌは恵まれた交通上の位置と豊かな地方資源が故に、昔から帰属をめぐって争いがたえませんでした。そんなロレーヌ地方を愛したガレは自分の作品にロレーヌ十字を使用し、外国製でもなくフランスのパリ製でもない、ロレーヌ製であるという意味をこめてロレーヌの芸術の旗頭となっていったのです。

万国博のおけるガレは、人目を引くためのオブジェを作成して行き出品作の中央に配置したり、わざわざ窯をその場で再現して、製作現場を来た人に見せるなど今で言うプレゼンをその時代から積極的に行っていたのです。それだけでなく、自身の作品を解説した冊子まで用意してくばったのだそうです。

ガレは芸術家でありまた優れた企業家でもあったのです。

こんなことからも分かるのですが、現存しているガレの作品は全てガレが手をかけた作品ではないのです。ガレはこの時代すでに分業を進めており、何百人という職人を使っていましたから、ガレがまったく手を触れていないガレの作品が多く存在していることは認識しておくべきでしょう。

gallefactory

ガレのガラス工場